<待望の新刊!>海をあげる

キャリアアップ研修で、
毎回のようにご紹介させていただいている
「裸足で逃げる」の著者
上間 陽子さんの新刊です。

これまでweb連載を
読ませていただいていましたが

改めて手に取る本は
ずっしりと重く
ざらざらした手触りが
懐かしい包紙のように感じました。


耳の横が
ぞわぁ〜っとなる気持ちを
何度も何度も味わいながら

まるでそこで
私も一緒にインタビューをしていて
登場人物の声を聴いているような
気持ちにすらなります。

2017年8月8日
「裸足で逃げる」を手にした私は
いてもたってもいられず

上間さんに会いにいきました。
その時に
「保育園に預かってもらえる子どもたちは幸せだと感じています。
生活の保障に加え、母親も安心感を得ることができる」

「大人も子どもも育つ場所として、存在していて欲しい」

と、柔らかい表情でおっしゃたことを思い出します。

今思うと、
本書に出てくる娘さんとの
保育園での生活があっての言葉だと
より納得させられます。


キャリアアップ研修を
本当の意味で
保育士自らが
未来を切り開くための
機会にするためには
何が必要なのか…と
探していた頃でもありました。

大人も子どもも育つ。
育てるではなく、育つ。

育つという言葉には
なんだか2本の足でしっかりとたった
土台をしっかりとして
伸びていく姿が浮かんできます。

「育つ」と「巣立つ」の音が似ているからなのか
自分の意志が含まれているからなのかもしれません。


『海をあげる』は

一人の女性を取り巻く
いろいろな人たちの願いや
言葉や感情
そして人生が

ぎっしりとした
おばあちゃんのおにぎりのように
詰まった本です。

上間さんの言葉たちは
どうしてこんなに体の隙間に入ってくるのだろうと
いつも思います。


沖縄の子どもや大人に関わる皆さん。
是非手に取って

沖縄の風景や
日常や
ご自身の思い出を想像しながら
一枚一枚めっくってみてください。


上間 陽子 さん
1972年、沖縄県生まれ。普天間基地の近くに住む。
1990年代から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わる。2016年夏、うるま市の元海兵隊員・軍属による殺人事件をきっかけに沖縄の性暴力について書くことを決め、翌年『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版)を刊行。
調査対象者に原稿を実際に読んでもらう「読み合わせ」からはじまった本書は、沖縄のいまを伝える作品として大きな反響を呼んだ。現在は若年出産女性の調査を続けている。
                     =ちくまwebより引用=


「裸足で逃げる」はこちら  特設サイト

ケーキの切れない非行少年たち

少年犯罪のニュースが報道されるたびに

「この少年・少女は、どんな人生を歩んできたのだろう」

と思うことは少なくないですね。

私自身も、保護者支援や子ども家庭福祉の講義を持つ中で

「非行」や「不登校」についても考える機会が増えています。

今回お勧めする本はこちら
「ケーキが切れない非行少年たち」です。

「ケーキが切れない」と聞いて、「親の関わりが乏しく、誕生日を祝ったことがない子どもたちの話だろうか?」と思い、購入しました。

しかし…内容は全く別の話でした。

筆者は、児童精神科医であり、多くの非行少年たちと出会ってきました。彼らと接するうちに「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気がつきます。
少年院には、物事を認知する力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら想像出来ない非行少年が大勢います。
「見る力」「聞く力」「書く力」「話す力」が弱いため、考える以前に大きな問題があるのです。
この問題は、普通の学校でも同じなのだということに根深さを感じます。人口の十数%いるとされる「境界知能」である人々に焦点を当てることで、困っている「こと」発見し、必要なスキルを身につけていくための道を探っていく本です。

図2-1.2-2 は3等分、2-3,2-4は5等分を表した図。

この本を読んでいると、被害者が被害者を生む悪循環の構図が見えてきます。
被害者を出さない方法は、子どものサインに気付くことだそうです。

サインの出始めは小学校2年生頃からだといわれています。
主なサインはこの通りです。

・感情コントロールが苦手ですぐカッとなる
・人とのコミュニケーションがうまくいかない
・集団行動ができない
・忘れ物が多い
・集中できない
・勉強のやる気がない
・やりたくないことをしない
・嘘をつく
・人のせいにする
・じっと座っていられない
・身体の使い方が不器用
・自信がない
・先生の注意を聞けない
・その場に応じた対応ができない
・嫌なことから逃げる
・漢字がなかなか覚えられない
・計算が苦手


保護者支援には、直接的な「How To」も必要です。

そして「いろいろな見え方がある」「もしかしたら…」という視点を持つだけで、保護者への関わりや子どもへの眼差し、関わりの種類に幅を持たせることにつながります。

様々な本や記事を読み、園内で共有しながら、スキルアップをして行きましょう。

2020.07.18 がじゅまる情報局