公平と平等の違いって?新年度に向けて考えておきたいこと

保育の中で「平等」や「公平」については、ほとんどの保育士が心がけていることでしょう。

この2つの単語は生活の中でもよく耳にしますし、園の中で共通認識を持っておくと良い言葉の一つです。


一つ一つ意味を考えてみましょう。

図に表されているように、公平とは、同じ条件を担保するために必要な人にサポートをすることです。身長が足りず、フェンスの向こうの野球を観戦出来ない人に、台を用意すること。と言えます。

相手が大人であっても子どもであっても、必要だと思う手助けをするときは、明確な理由が必要です。

新任保育士や、保護者に対するアドバイスや手助けに、理由をもつようにすることで「お節介」や「押し付け」でなく「公平」な態度をとることができます。


平等とは、分け隔てなく同じ関わりをもつことです。図に表してあるように身長が足りず、フェンスの向こうの野球を観戦出来ない人がいた場合に、全員に台を用意することが、平等の意味です。


個別支援や配慮は、公平性を担保するための方法です。そして、公平性を担保することで、分け隔てなく平等な状態を作ることを目指しています。

「平等」と言う言葉は、みんな同じように。でもあるため、生活に困難を抱えていたり、課題を持っている場合は、平等であることが不公平になることもあります。


来週から、新年度が始まります。


権利の主張ではなく、幸せに暮らすために。

日常のことから(例えば、家事や時間の使い方など…)「公平」や「平等」について考える週末にしてみてはいかがでしょうか。

2020.03.27 がじゅまる情報局

3月のうれしいこと

1年間の園内研究

ある園で、1年間園内研究のお手伝いをさせていただきました。

そもそも研究って何だろう?からはじまり、自分たちの園の保育を、色々な角度から見ていきました。

  • 「どうして職員間で話ができなくなったのかな」
  • 「前は大人も子どもも、もっとおおらかだったよね?」
  • 「そもそも、子どもたちにとって、楽しいってどういうことなのだろう」
  • 「無理やり何かをやらせることは、私たちの目指す保育じゃないよね?」

と、ああでもないこうでもないと話合いながら、あっという間に時間は過ぎていきます。


そして…1ヶ月に一回の訪問の間に、保育士たちが自主的に少人数で集まって話をするようになります。その内容をミドルリーダーがまとめます。

さらに、そのミドルリーダーは「もっと気になったこと」や「自分にできると思ったこと」をこっそりとさりげなく、(園内をうろちょろしながら)保育の中に埋め込んでいきます。

園に行くたびに、何かの要素が増え、保育士たちが自分の事例を楽しく話してくれるようになり、その中で一人一人の保育士の大切にしてきたことや「くせ」や「得意なこと」がみえてくるようになりました。


自分たちでテーマを持って、必要な場面を切り取って、話し合って、言葉をすり合わせていきます。

日々の中で、それぞれの保育者が「自分で育つ力」を付けていきます。


きっと、ここの園の保育士は「誰かの言葉を憶える」とか「真似をして安心する」という学びは、平成の時代に置いてきたのでしょう。

この園の物語は、まだまだこれから続いていきますが、その始まりに立ち合わせていただいたことを、とても嬉しく思っています。


「学ぶことをやめないでいたいと思います」と書かれたミドルリーダーのワークシートに、「学び続けたくなる素材を作り続けたいと思います」と、こっそり心の中でつぶやきました。

2020.03.01 がじゅまる情報局

新人育成って?

新年度が近づき、がじゅまる情報局に届く声にも変化が生まれています。


主任やミドルリーダーからは

・主体的な心を育むためには?
・どんなスキルから育てていけばいいのかな?
・私たちの育成方法は、正しいのかな?

養成校の学生さんからは

・自分の学んできたことが活かされるかな?
・新人に求められていることは何だろう?
・何から身につけていけばいいのだろう…

といった声が届いています。

新人育成における主任やミドルリーダーの役割を3つ挙げるとしたら、

  1. 時間をかけて育てていくものと、すぐに身につけたほうがいいものの整理
  2. 何があっても、園の職員として仲間であること
  3. 新人保育士が素直な心でいられるための信頼関係

です。

一つ一つを細かく考えていくと、主任やミドルリーダーに必要な『スキル』もわかってきます。

園全体での共通の理解を持津ことで、新人保育士に「希望」を持って仕事に当たってもらうことにつながります。


来週は、

  1. 時間をかけて育てていくものと、すぐに身につけたほうがいいものの整理
  2. 何があっても、園の職員として仲間であること
  3. 新人保育士が素直な心でいられるための信頼関係

について、一つずつ説明していきますね。


研修会も企画しました。是非ご参加ください!

お申し込みはこちら

2020.02.21  がじゅまる情報局

言葉のチェック〜子どもへの声掛け編〜

キャリアアップ研修の事後レポートの分析をしていると、なかなか自分の声掛けや対応を振り返ることができないという記載をよく目にします。

そこで今回、全国保育士会の作成した「保育園・認定こども園のための人権擁護セルフチェックリスト」を元に、園内で活用できるチェック表を作成しました。

自分のクラスに、この言葉が出ていないか。お互いにチェックしてみましょう。

オススメは、週の中頃(水・木曜日)あたりです。

今週の状態を振り返り、残りをどのように過ごすかをクラスで話し合うことで、PDCAを回しやすくなります。

ここで大事なのは、一つ一つの言葉が「なぜ良くないのか」ということを考えることです。

例えば「あなたがいけないんだよ」は、喧嘩の仲裁や、ものを壊した時などに聞こえてくる言葉ですね。

子どもの声を聞かず、前後関係、環境構成を予想しないまま「いつもやんちゃだから」とか「なんで壊すの?」と決めつけや苛立ちが起きている証拠です。


下で、ダウンロードできますので、ご活用ください。

皆さまは、「子どもを尊重する保育」のために、どのようなことを心がけているでしょうか。 また、「子どもの人権擁護」の視点から、自らの保育を振り返る機会はあるでしょうか。
保育所保育指針解説においても、「子どもの人権に配慮した保育となっているか、常に全職員で 確認することが必要である」と示されており、保育を行ううえで「子どもの人権擁護」の視点を持 つことは不可欠です。
本チェックリストは、保育の現場で働く保育士・保育教諭である皆さまが、保育を行ううえで重 要な「子どもを尊重する」ことや「子どもの人権擁護」についてあらためて意識を高め、自 らの保育を振り返っていただく ことを目的として作成しました。
自らが 意識をせずに「子どもを置き去りにした保育」や「保育者の都合ですすめる保育」 を行っていないかの自己点検 の機会として本チェックリストが活用され、日々の保育の質の向上 につながることも期待しています。

全国保育士会 保育園・認定こども園のための人権擁護セルフチェックリストhttps://www.z-hoikushikai.com/about/siryobox/book/checklist.pdf

保護者編・行動編も作成しています。随時アップしますね。

2020.01.28 がじゅまる情報局

どんな相談を受けていますか?

保護者支援・保育相談・職員との面談等々…

保育園には、日々多くの「話す機会」がありますね。

ただなんとなく、コミュニケーションとしてお話しすることもあれば、深刻な相談を受けることもあるのではないでしょうか。


ということで、このような表を作成しました!

保育の中の大人同士の会話の場合、「カウンセリング」的なこともあれば、ティーチングが必要な時もありますし、コーチングという方法を使って、目標に向かって一緒に進んでいくこともあると思います。(コンサルティングはあまり使わないかもしれません)


大切なのは、どれか一つの方法になってしまわないこと。

例えば、まだまだ受け止めてもらうことが必要で、聴いてもらうことを求めている保護者に対して、一方的にこちらの理論や知識を与えたところで、相手からしてみると「押し付けられている」と感じることもあります。

また、具体的な方法の提案や、やっていることを確認したい保育者に対して、「大丈夫?」「頑張っているね!」「悩んでいるの?」などと、カウンセリング的な関わりをした場合はどうでしょう。


やきもきして、もうこの人に話しても無駄だ…と思うかもしれません。


相手の状態を見極め、今何を求めているものは

 寄り添いや傾聴

 方法や考え方、情報

 一緒に考えたり、取り組んでいることの成果について確認

といった見立てをし、その人が必要としているアプローチを検討していきましょう。

間違っても、カウンセリングをしているつもりで、安易な励ましや共感からの愚痴大会になることは、避けたいものですね。


2020.01.24 がじゅまる情報局

もうすぐ1年経ちますね。

初々しく頼りなかった新人の保育士さんも、10ヶ月の保育経験の中ですっかりと「〇〇先生」「〇〇さん」になっているころではないでしょうか。

「うちの園では〜」や「来年度は〜」なんて言葉を聞くと「すっかり園の一員だなぁ」と嬉しく思うものです。


そして、あっという間に担任を持ち、後輩ができる春がやってきます。

日ごろから心がけているかもしれませんが、今年一年を少し振り返りながら、後輩を迎える準備をしてみましょう。

マナーやスキルも重要ですが、その前に必要な3つの視点。
新人期に「保育士として育っていく土台」をつくることで、学ぶことを楽しむ保育が実現できます。

ピアノが弾けなくても、あがり症でも、記録を書くのが苦手でも、掃除がうまくできなくても、この3つがあれば大丈夫

視点をしっかり持ち、一生かけて保育士になるつもりでいればこそ、スキルは後から付いてくるものです。


2020.01.23  がじゅまる情報局

面談のための3つの知識

年末になると、何かと面談が増えるものです。

特に、来年度のに向けた面談となると、「用意する側(管理職)」も「受ける側(職員)」も、とてもドキドキしますね。

面談は、「対等に、将来に向けて話をすること」が前提です。

説教したり、プライベートを聴き出したり、説得の場面ではありません。

かといって、過度に褒めすぎて、相手を一時的に気持ちよくするものでもありません。


冷静かつ、効率的に面談をするために、必要な知識を3つにまとめました。

基本は、保護者との面談の場合でも同じです。

  • 相手が話しやすい状態を作ること
  • そのために、思いやりを持った行動をとること
  • 環境についても配慮すること

相談室の環境についての記事も、書いていこうと思います。


2019.12.13  がじゅまる情報局

報・連・相を整理しよう!

昨日の園内研修で、「信頼を気づくために努力していること」について質問をしたところ…

「報連相を意識していることで、考え方や、判断が大きくずれることがなくなり、信頼に繋がっているような気がする」

という声が上がりました。


よく聞く「報・連・相」ですが、一つ一つの意味と、それぞれの違いについて。と言われると、人によって認識が違ったりしていることも。

そこで、報連相について、整理してみました。

1・報告 基本的に、部下が、上司に対して行う。頼まれたことの結果や、進捗状況の確認。クレームや事故などの、悪いことほど早く報告することが重要。

2・連絡 同僚・上司・部下などの関係に限らず、必要な情報を伝達すること。自分の意見や考えを交え図、簡潔に伝えること。

3・相談 問題を解決するために、アドバイスや意見を求めること。内容や、状況によって、相手を選定する。感情だけで話をしてしまうと、「吐き出す」だけになるため、事前に「相談の目的・相談に至った背景・自分の持っている提案や考え」を整理しておくことが必要。


同じ状況を説明する場合でも、立場や判断によって、選ぶ方法が変わってきます。

基本的なことを、園内で確認しながら、仕事を進めたいものですね。


2019.11.22 がじゅまる情報局

分解!から始まる

園内研修を引き受ける時は。

どのような園内研修を希望されているかを確認することから始まります。

園内の先生だけでは限界があることや、新しい知識、全体で周知するために伺うことが多いです。

「園内研修」と言っても、いろいろなパターンがあります。

  • いつ?
  • それくらいの頻度で?
  • 誰が?
  • どのように?
  • 目的は?
園内研修の分解をしてみましょう!課題から生まれた園内研修は、実践での効果が出やすいです。

研修は、

仕事に必要な新しいスキルや知識を身につけること。

と定義されています。

私たちの会社では、園内研修を受ける際は

  1. 現状の課題を確認する
  2. 優先順位を付ける
  3. テーマ(内容)を設定する
  4. 対象を決める
  5. 形式を検討する
  6. 時間帯を決める

という流れで、進めています。


レストランは、材料を仕入れない日はないと思います。

食材がなければ料理は作れません。

そして、常に新しい食材を探し、調理法を研究しながら、日々料理を究めています。

それと同じく、保育園で働く保育者が、学ばない日はないはずです。

何かしら気付いたことや、考えたことを、保育者間や、子どもたちと話し合いながら「もっと良くなる方法」探っているはずです。


「時間ありき」の園内研修から、『目的を達成するため』の園内研修に変えていくために、自園の園内研修を見直してみてください。

ご質問などありましたら、コメントかメールでご連絡くださいね。

2019.08.03  がじゅまる情報局

雑談?対話?議論?

保育士さんたちのワークショップの中で

「無駄な話で疲れてしまう」

という声が上がってきました。

詳しく話を聞き、状況を確認してみると、保育の中での「雑談」が多いようでした。

園内の雰囲気は良く、先生たちも朗らかに保育をしています。

しかし、真剣な話や、課題に向き合う。ということになると、一気にトーンダウンするようです。


その話を聞いて、会話の種類を作成してみました。

『雑談』で終始せず『対話』につなげていくことで、有効なコミュニケーションを図ることができ、結果的に保育の質が向上していきます。


とはいえ、相手が変わってくれることを望んでも、なかなかうまくいくものではありません。

相手を変えることはできなくても、

  • テーマを持って話しをする
  • 疑問を持ったことは、相手に質問してみる
  • 今、この話が必要かどうかを考える癖をつける

など、自分自身の努力でできることもあります。


保育は生活です。

少しの心がけで、変化が生まれるものでもあります。

明日の自分が少しだけ、変化していくことを続けていきたいものです。

2019.07.18  がじゅまる情報局